おもちゃ屋を商っているけれど、赤ちゃんにおもちゃが絶対必要とは思わない。
絵本だってそう、絵本がなくても、人はちゃんと育つ。
それなら何故、絵本を読み聞かせたりおもちゃ遊びを勧めるのか。
私はこう思う。
赤ちゃんが、安心安全に経験を積むことができるから。
赤ちゃんは身の回りのモノや自然を見て触れながら、自然の摂理、物理的なモノの動きなどを実体験として学んで育つ。
手を伸ばす、触れる、掴む、よく見る、口へ運ぶ、五感で確認、やがて左右の手でモノを持ち替える、手放す、投げる、出し入れする、積む、つまむ…と、2歳頃までに手と目を器用に連動させて遊ぶようになる。
こうした経験は、おもちゃがなくてもできるが、おもちゃがあれば安心して経験を重ねられる。
そしてまた、良いおもちゃであれば、赤ちゃんの発達に添った興味関心にダイレクトに働きかけ、好奇心を満足させられる。
つまり、おもちゃは、赤ちゃんの育ちを、遊びを通してサポートする道具なのだ。
そして、それを見守る大人に、赤ちゃんの成長を実感させる頼もしい存在と言える。
ただし、ここで言うおもちゃとは、赤ちゃんの前で勝手に動き回ったり、モニター画面上で視聴するだけのおもちゃは排除。
(おもちゃの方から働きかけるようなものは、赤ちゃん期〜幼児前期には相応しくないと考えています。)
さて、ここからが本題。
そのおもちゃをどう選び、どう出会わせる(赤ちゃんと)?
私なら、まず赤ちゃんを観察します。
そして赤ちゃんが何に興味を持っているか、やりたがっていることは何かを見つけて、その興味関心を満たすことのできるおもちゃを選びます。
次に、選んだおもちゃを赤ちゃんの前に置いて、こんなコトできますよとデモンストレーション。
この時、赤ちゃんとおもちゃは少し距離(手が届きそうで届かない位)を置きます。
興味があれば、あかちゃんは成り行きをじっと見ます。
デモンストレーションが終わったとき、赤ちゃんが私の顔を見上げるようなら「もう一回」のサインです。
もう一度、おもちゃ遊びを繰り返します。
こうして、赤ちゃんとおもちゃを介して言葉のないコミュニケーションをくり返した後、おもちゃを赤ちゃんの前に近づけて「どうぞ」とすすめます。
もちろん赤ちゃんには個性があり、同じ年令、月齢であっても興味関心との向きあい方は異なります。
おもちゃ本来の遊び方を楽しまない赤ちゃんもありますし、おもちゃ遊びより自分の身体を存分に動かしたい赤ちゃんもありますので、そういう場合は、赤ちゃんのやりたいことを優先させます。
おもちゃは、ひとつのツールに過ぎません。
落ち着いて遊べない、大人の思う遊び方をしてくれない…というのも珍しいことではありませんので、心配ご無用。
おもちゃ遊びは、赤ちゃんひとり一人の個性や特技、時に不得意なことも発見できてラッキー!位に捉えておくと良いのかなと思います。
ここあんでは、お子さんお一人おひとりにふさわしいおもちゃの提案をさせて頂きます。
「毎日、喜んで遊んでいます」
「すごくよく遊んでくれて嬉しい」
などとご報告いただくとき、おもちゃ屋冥利に尽きるなあとニンマリしています。
今年(2023年)、ここあんから飛び出して、乳幼児期のお子さんがおもちゃと出会う機会を作る予定です。
おもちゃコンサルタントとして「おもちゃの広場」を米子市で定期開催すべく協議中。
「おもちゃ遊び」の本当の楽しさを、親子共に実感できる場になれば嬉しいなあ〜
3月のプレ開催が決まったら、ご案内いたします。