子どもたちが「あ!いいこと思いついた!!」っていう時、大人たちは「もう思いつかなくていいです〜」って(散らかるばかりだから)心の中でつぶやいたりするのだが。
お年寄りさんも同じです。
見えると気になる。
気になるとじっとしていられない。
例えば、我が家の93歳の場合。
洗濯物が干したままになっている(夕暮れに)と、「取り込まなくては」と思うらしい。
確かに去年までは彼女の仕事であった。
けれど今は杖や歩行器を頼りに、己の体を支えるだけで精一杯の身となったのだから、両手を使う作業はできない。
無理すればできるだろうけど、転倒リスクは避けられない。
今年の春、玄関で靴を脱ごうとして転倒し右肩骨折となって以来、
「靴は座って脱ぐ、履く」
「歩くときは必ず歩行器を使う」
「一人で外に出ない」
というお約束に従い生活しているはずなのだが・・・。
ふと窓の外を洗濯物がヒラヒラしていたりすると、お約束も何処へやら
テラスへ出て(それも室内履きのまま[#IMAGE|S148#])洗濯物を取り込み(室内物干しに掛け替える)、外へ出てしまうと次には草が生えているのに気づき、これまた見て見ぬ振りはできぬようで草を抜いてみたりするのだ。
さて、仕事から帰ってみると、「あれ?なんだかおかしい・・・」
私の五感が「危険!危険!異常事態発生!」のセンサーを鳴らす。
まず、キッチンの流しの前(床ね)がザラザラしており、「あ、外へ出たな」と気づく。
案の定、洗濯物が取り込まれ室内でヒラヒラしている。
テラスへと向かうとテラスの入り口は砂だらけ。
「ヤラレタ〜」
外へ出てみると草を抜いた痕跡。
「ムムム・・・」
その後、家の中を点検す。
室内履きに砂をつけて移動しているから、93歳の動線は、じき解明される。
怒り心頭なのをぐっとこらえ、代わりに掃除機をブインブイン唸らす。
おや?お風呂場にも行ったか?
「キャ~っ!」
砂だらけのズボンを洗濯機に入れるなんて[#IMAGE|S108#]、許しませんよ!!
この一件以来、帰りが遅くなるときは、どんなに天気でも洗濯物を外には干さないことにしてあるの。
できないことを増やすのは気の毒かしらと思いつつ、「お気になさらず、そのまま、そのまま」と日々念ずる私。