ここあん便り

歌が生まれる(前編)

人との縁って不思議ですね〜
今月18日に開催されるこちらのコンサート


地元の箏奏者、門脇京子さんのCD発売記念コンサートですが、CD内の楽曲提供、アレンジを手がけ、三味線、キーボード演奏で共演している久保比呂誌(大阪在住)をお招きして開催致します。

さてその久保さんとは、かれこれ4半世紀(25年)のお付き合い。
境港親と子どもの劇場の高学年例会に「狂言」を上演したとき、併演として津軽三味線の演奏をしたのが久保さんだった。
上演後に色々お話しを伺ってみると、ピアニストでもあって、作曲もされるとか。
若かった私は不躾にも(今も変わらないかもだけど…)「劇場の応援歌つくって下さいよ〜」とおねだり。
すると「良いですよ〜」と軽やかなお返事。
出会ったその日に大胆なお願いをし、約束を取り付けてしまったのであった。
その時つくってもらった曲は、劇場発足5周年記念として、総会&コンサートで手話好きで紹介した。

久保さんの名曲の数々はこちら↓
久保比呂誌

出合いの後、幾度となく境港でのコンサートにお招きしてきたが、その度に親しいミュージシャンを引き連れて来て下さり、出合いの輪は広がり続けた。
海とくらしの史料館 中庭でのコンサート
水木ロードで台風の中強行したキャンドルナイトコンサート
お寺で、市民会館で、カフェで、大人向け、ご家族向け、マタニティーコンサートもやったなあ〜

久保さんの作る曲は、優しくて、心の中に自然にしみこんでくる。
劇場の応援歌を作ってとお願いしたとき、どんな曲を作る人かも知らず、ただ、そのお人柄に接する中で「この人に頼んだら間違いない」と、得意の根拠のない自信で厚かましくもお願いしたのだったが、テープに吹き込まれた音源を聴いた途端、それが間違いでは無かったと納得した。
テープが届くとすぐに劇場のみんなに声を掛けて歌詞を考え始めた。
みんなからいくつかキーワードをもらい、それを音に当てはめていく作業が楽しくて、その日のうちに、歌詞をつけて久保さんにFAXで送った。
劇場のみんなに助けられながら、私は人生初の作詞をしたのだった。

この時の経験があったからだろう、機会があれば、また曲に詞をつけてみたいと何となく思っていた。
そして、その時はまた突然やって来た。
この時は久保さんの曲ではなく、地元で共に活動する仲間の曲。
仲間の新たな門出に際し、感謝や応援の気持ちを込めて作られた曲だった。
私は頼まれもしないのに、勝手にその曲に詞をつけはじめた。
やはりその晩、一晩で、詞を付けずにはいられなかった私の第二作目が完成した。

その時の曲がこちら、「光と風の中で」


門脇京子さんのCDに収録されており、今回のコンサートでも演奏される予定です。
こちらで聴くことが出来ます。⇨光と風の中で

話はこれで終わりではありません。

コンサートがコロナなどの事情により延期となり、その間、誰もがそれぞれに大変な思い、辛い思いをしたと思いますが、そうした中で久保さんがまた新たな曲をつくって境港へ来て下さいました。

コンサート準備のための来境時、練習中にお邪魔すると、聴いたことのない曲が…。
最愛のお父様を、昨年見送ったばかりの仲間を想ってつくったという話を聞きながら、その曲にじっと耳を傾けていると、雨上がりの空がキラキラと輝いているようなイメージが広がります。
ああ、素敵な曲だなあ〜
うっとりして聴いていると、「実は、まだ題名(曲名)が決まってないんです」と。
そしてさらに「万里子さん、つけてくれませんか?」と久保さん。
「え? え〜っ!!」

「できるかどうかわかりませんよ」と念押ししつつ、もう一度演奏をお願いし、スマホで録画して帰った。
(後編へと続く)