お人形作りの材料など、「スウェーデンひつじの詩舎」から取り寄せていますが、詩舎から定期的に届く「季節のお便り」(情報紙)はいつも新たな気づきを私にくれます。
吉良創(きらはじめ)さんによるシュタイナーの考え方に基づくエッセイがそれです。
今回は、子ども自身が見通しを立てて暮らせるようにするために周りがどんな配慮をすべきかということについて優しくふれています。
例えば、赤ちゃんの時からおむつを替えるとき、いつも同じ場所で行うことにより、赤ちゃんもやがて「ああ、おむつを替えてもらうんだな」と見通せるようになり、自ら(自発的に)足を上げ(協力)るようになる。
いつも遊ぶ道具が同じ場所に同じように置かれているとか、外遊びへ出かけるときは、トイレに行って、帽子を被り、玄関へ行くといった(習慣)ことが、その後の楽しい体験を見通すことにつながる。
(エッセイの文章とは異なり、私なりの読み解き方でお伝えしています)
小さな人たちは、言葉で(大人が)伝えようとしても十分に理解できません。「分かった?」と聞けば大抵「うん」と頷きますが、正しく理解できていないことの方が多いように思います。
けれど、実際にやってみせる、或いは日々繰り返し体験することで、子どもなりに理解し、次はこうなる、こうする、と見通しを立てることが身についていきます。
子どもにあれこれ教える必要などありません。
こう言うと、自由に子どもの好き放題にさせておけば良いと思われるかも知れませんが、そうではなく、子どもが安心して気持ち良く過ごせるように大人が上手に導いてやるのです。
子どもは自ら生活を整える力を持ち合わせていません。
時間の流れを理解し本当の意味での先の見通しが立つのは4歳頃だと思いますが、それまでは子どもの気持ちをくみ取りつつ、生活環境や生活リズムは大人が主導権をしっかり握っておくことが大切だと私は思います。
そうすれば、特別なことをしなくても、日々の営みの中から子ども自身が学んでゆきます。
その時々の思いつきで、毎日が予測不能な過ごし方になっているとしたら、子どもは不安でいっぱいになってしまいます。
小さなお子さんの不機嫌の原因は、案外そう言うところににもあるのではないかしら?
お子さんたちの意思を尊重しつつ、暮らしのリズムをできる限り狂わすことなく日々を過ごせるようにと願っています。