ここあん便り

生きていくこと

こんなことがあってはならないと、私がどんなに嘆いたり叫んだとしても

人生には予期しない出来事が起きてしまう。
数日前、信じがたい現実に直面した。
呼吸をすることが難しく感じられるほど大きくて思い石がズンと心に居座ってしまい、
底なし沼に引きずり込まれてしまうような圧に支配される。
それは私自身に直接起こったことではないけれど、
その、あってはならない現実を受け止めなければならない友を思うと
どんな言葉も、全く意味を持たないばかりか、かえって物事を悪い方向へと導きそうで
「どうしよう」「どうしよう」をただ心の中で繰り返す。
時間が逆戻りしたら良いのに
「なんで?」「どうして?」とばかり思う。
生きていくって、辛くて切ないなあ。
悲しみのどん底にいる人に、かける言葉は見当たらない。
その人の心を、苦しみから救って下さいと祈るほかない。
それでも何か出来はしないかとグルグル考え続けるうち、一冊の絵本が目に飛び込んだ。
そうか、こういう時のためにこの本はあったんだ。

いつか、時が来たら、この本をプレゼントしよう。
そう考えることで、私は救われる。
今、絶望の中にいる人が救われることを信じつつ、私たちは生きていかなければならない。
生きて、生きて、生きて朝を迎えるんだ。
それが生かされている者がすべきたったひとつのことだと思うから。