ここあん便り

届かぬ声

3歳の子どもを置き去りにした母親

我が子の変わり果てた姿を目にしてどう思っただろう
現実を目の当たりにして愕然としたか、或いは安堵したであろうか
母親の心情は、私などには想像の及ばないところにあるけれど
通報(娘の死を)した(遺棄するという選択をしなかった)ことが救い
親に置き去りにされた子ども
孫と同い年の幼子の気持ちを思うだけで
息が止まりそうなくらい苦しくなる
たったひとり
食べ物も飲み物もない苦しい時間を
何を思い
幾日もどうして過ごしていただろう
誰にも気づかれることのない
日々苦しみの中にいる母子が
この国には一体どれだけ存在するのか
どこを、どう修正すれば
こうしたことがもう起きない世の中になるのだろう
胸が苦しくなるような報道に背を向けてしまう私は
無力で、無責任で、自分でも嫌になるけれど
もし、苦しみの中にある人が近くにいるのだったら
何も聴かず、何も言わず、しばしお子さんを預かることはできるかな
誰でもいい、人は頼るに値する
隣人をもっと頼って下さいと
届かぬ声を発してみる