ここあん便り

夫のしつけ

この春、夫は定年を迎える。

ほんとうに、長い間、お疲れさま。
365日、気の休まることのない過酷な仕事をよく頑張ったねと心底尊敬しております。
振り返ると、休みの日も休みではないような生活に、連れ合いとしては半ば諦めのような心持ちになるのに少し時間を要しましたが、割り切ってしまえば案外気楽で、結果的に私は私のやりたいことに専念できたと感謝しています。
ただし、何事もあてにはできない上、家にいるときくらいは骨休めをさせてやらねばと、家のことは何一つしない・させない暮らしを続けてきてしまいましたから、チン!(電子レンジ)も扱えず、誰もいなければお腹が減っても「ひたすら待つ」といったありさまになっておりました。
昨年春、親知らずを抜くために私が数日間家を留守にするという事態に直面し、夫の自立(生活面での)という新たなミッションをはっきりと意識させられました。
さて、それから少しずつ「夫のしつけ」が始まったのであります。
まず、電子レンジの使い方。
(最近はレンジの方が賢いので、「あたため」のボタンを押すだけでOKと簡単!)
クッキングヒーターの操作。
・・・これで冷めた食事をあたためて食べる(おばあさんにも食べさせる)ことができるようになった。
次にゴミの分別。
軟質プラスティック(プラ表示のあるもの)を入れる場所を教え、室内のゴミ箱に誤って入れている場合などはその度に優しく注意。
続いて掃除。
窓ふき、お風呂のカビ取りなど、本人がやる気を見せた時がチャンス!
「ありがとう、よろしくね」と結果を期待せず頼む。
(雑巾を洗って使うなどのやり方は苦手。使い捨てペーパーや洗剤を盛大に使ってやるのが得意。)
そうこうしているうちに、退職まで残りひと月となりました。
今では、「今夜出かけないといけないから、おばあさんの食事、よろしくね」と頼んでおくと、食べ終わった食器をきれいに洗ってくれてます。
ただし、料理を作ろうという気は全くないらしい。
一年ですごい進歩です。
今までは「かあちゃんの仕事を取ったらいけん」など(夫が)と申しておりましたが、これからは何もかも「二人の仕事」ってことですけん、どんどんやってもらっちゃおう〜。
そして、自分のことは自分でできるじいじになってもらいましょう。