ここあん便り

春を告げる絵本

2月から3月、どうしても読まずにはいられない一冊。

どちらも好きだけど、ここあんでは「ぽとんぽとんはなんのおと」を好んで読んでいます。
きっと、神沢利子さんの紡ぐ言葉に惹かれるからでしょう。
冬ごもりの穴の中、母さんクマのふところで目を覚まし始めたクマの子の耳に響いてくる音が、ひとつひとつ伝わってくるようです。
それらの音が徐々にクリアーになっていくのを感じるとともに母さんクマの穏やかで慈愛に満ちた語りかけが何とも心地よく、やがて春の日差しに誘われ、穴から出て行こうとする親子の瞳の先に広がる世界までもが見えるような、そんな気持ちにさせてくれる、魅力的な絵本です。
対象年齢として、読んであげるなら4歳から、と表示されていますが、0〜3歳のお子さんがお膝の上で聴くのにぴったりの絵本でもあると、私は実感しています。
ぜひ、お膝だっこで「ぼうやはゆっくり・・・おやすみよ」「・・・おあそびね」のフレーズのところでそっと抱きしめながら読んでみて欲しいなあ。