ここあん便り

失い、そしてまた得ること

非営利の活動に関わり始めた頃、私の武器は「若さ」だった。
若いとか未熟って、素晴らしい。
怖いもの無しで言いたいことを言い、じゃんじゃん進んでいくことが出来た。

いつの頃からか、言いたいことを言えなくなった。
組織の代表になってからは、「わたくし」を押さえ込んで組織としての言葉を選ぶようになった。
本当は、本当に、「代表」という役割が嫌いでならない。
誰かを支えることの方がずっと向いているのだけれど、世の中って、思うようにならないね。

元気はつらつの頃、どこへ行っても一番若かった私。
ところがいつのまにか年を重ねてきてしまった。

明日、お招き頂きいただいたシンポジウム。
登壇される方々とお会いできるのを楽しみにしていたけれど
今、あることに気づき、にわかに愕然としているの。
「もしかして私、最年長?」
年齢と精神的成熟、もしくは知的成熟が比例していれば良いのだが
私の心持ちはいつまでも成長しきれないでいるんじゃないか。
ちょっと自分でもビックリ。

失われた「若さ」を憂いてみてもしょうがない。
次は身につけ始めた「老人力」をじわじわと発揮してみますかねえ。
人は「失い」、そしてまた「得る」。