ここあん便り

わらべうたの歴史

2012年5月に発足した「わらべうた研修会」。
「わらべうた」を歌い合うだけじゃなく、ちゃんとお勉強もいたします。
第4期を迎える総会に、講師をお招きしました。
山陰のわらべうたや民話、伝承文化の研究者として有名な酒井先生による特別講義「現代に残る江戸時代初期のわらべうた」はとても興味深いお話だった。
元禄時代に生まれた鳥取藩士、野間義学による「古今童謡」(冊子)が京都の古本屋で見つかった。鳥取県立博物館の学芸員によって翻字化(2007年)されているが、酒井先生が昭和35年から集められたわらべ歌と比較してみると、何と同類らしきものが4分の一強を占めているのだとか。
実際に「古今童謡」の文言と、酒井先生の収録音源とを聞き比べてみると、ぴたりと重なりびっくり。
300年も前の歌が、ほぼそのまま歌い継がれていたことが分かる。

講義の中で、事例として「雪やこんこん」が紹介されていたのは嬉しかったなあ。
古今童謡:「大山やまの 雪ころびころびや
酒井採譜:「雪や こんこん あられや こんこん 大山やまの 雪ころころや
江戸時代の子どもも、大山を眺めて歌っていたのだなあ〜
「雪ころびころびや」[#IMAGE|S12#]
なんて素敵なんだろう、これからは、「雪ころころや」と歌うとき、今までと少し違った心持ちで歌えるような、そんな気がした。

しかし、先生が収録をはじめられた頃に生まれた私が、そうしたわらべうたを受け継いでいるかというと、残念ながらNO。
「雪やこんこん」のように、時を経て再び子どもたちに伝え返せる歌を増やしていけるようにしないとね。

わらべうた研修会へのお問い合わせは、えほんやとこちゃんまたは私(ここあん)までどうぞ。