ここあん便り

子ども支援

「子どもの身方でいたい」と言い続けてきました。
「子育て支援」という表現が好きではなく、意識的に「子育ち支援」などと言ってみたりするのは、子どもの視点を大切にしているつもりだったからです。
しかし、所詮口先だけのこと。
実際私にできることと言ったら、旗振りだけだったかしら・・・。
現実というものが、まだまだ見えていないなあ〜。
近頃の私は、年末だからか?懺悔することばかりです。

子どもセンター(2007年3月末まで市民図書館内で運営していました)のことを思い出します。
週3日の開館時間なら誰でも利用可能、絵本やアナログゲーム、まりつきのボールや積み木も置いていましたね。
絵本やわらべうたを赤ちゃん向けに始めたのもここが最初でした。
子どもセンター時代からつき合ってきた子どもたちは今、小学4,5年生。
親子、セットでのお付き合いが続いています。
一方、子どもだけでセンターに来ていたお子さんたちとは、その後会う機会はありません。
お昼用にお金を持たされている子どもが珍しくありませんでした。
こどもですからお金は、食事以外のものに使ってしまいますね。
そう、あそこで感じていた「子どもの生きづらさ」「子育ち環境の格差」を、
今、全く感じることができない。
そのことに愕然としています。
あの時子どもセンターを根気よく維持し続けられたとしたら、助けを必要としている誰かの「居場所」になれたかもなあ。
今さらだけど、あの場所でやっていたことは、子どもに直接働きかけることのできる事業でした。
「子どもセンター」をやろうと思ったのには願い続けてきた一つの思いがあったからでした。
「子どものための情報紙をつくりたい」という思い。
子どもが読む、子どものための、子どもにとって何かしらの助けになる読み物をつくりたい、という漠然とした夢。
その夢が文科省の補助事業を使って実現できそうだと分かり、飛びついたのが事のはじまりでした。
振り返ってみると、やはり夢のような事業でしたね、市内の子ども全員に届く情報紙がつくれたのですから。

昨日、ここあん土曜日文庫では、パワー全開でわらべうたや絵本を楽しむ子どもたちの姿がありました。
「遊びたい!」「お腹空いた〜」・・・、集まった子どもの数だけ、その時々の気持ちが言葉になってあふれ出るからすごく賑やか。
子どものその声に親たちは振り回されつつ、程よくたしなめて事をおさめています。
「え、やだ〜」「ねえ、もう一回だけ〜」・・・親子の攻防戦を眺めつつ思いました。
言いたいことを自由に表現できる幸せ。
その当たり前のことを我慢して押し殺して暮らしている子どもが、この町にもいるかも知れないね。
そしてまた、ひもじさ、さびしさを感じながら暮らしている子どもが、すぐ近くにいるかも知れないね。

子どもに直接働きかけられる「子ども支援」、どうやったらできるかなあ。