ここあん便り

海外作品「YOU ARE HERE」

ちづの町と森の芸術祭へ出かけてきました。


デンマークのマダム・バッハの作品を、ちづ保育園のお子さんたち、ちづの皆さんと共に鑑賞させて頂きました。
当日の取材の様子がこちらに→NHK Web

今回、NPO法人こども未来ネットワークは協力団体として参加し、作品鑑賞と合わせてフォーラム(第12回アートスタートフォーラム)を開催させて頂きました。
海外作品を県内で観られる機会は少ないですし、この貴重な機会を、アートスタートに関わる方たちと共有したいと願い、県東部の智頭町へと出かけることを決めたのです。

上演作品は、小さな小道具ひとつひとつ、丁寧に、本当に丁寧に作られていて、舞台には裏も表も全くなくて、入場口からすでにその空間が始まっていました。
その空間の中で、それぞれが自分の道を見つけていくお話、といったら良いのかな。
工夫を凝らした小さなエピソードに注目しながら、さまざまな生き物、モノの道を見守っているうち、「私の道は?」って考えたりして、なんだか夢の中にいるような、小さな舞台がとても広い世界に感じられたりしました。
子どもたちは、はじめちょっと緊張していたようだけど、次第に身を乗り出し、声をあげたり、興味津々で舞台を見つめていました。

フォーラム終盤、舞台撤収を終えたマダム・バッハのお二人も合流して下さり、作品に込めた思い、実際の作品作りに関する具体的な手法やエピソード、大切にしていること、子どもたちとの向き合い方など、直接お聴き(通訳さんを介して)できて、本当に素敵な時間となりました。
幾つも心に残った言葉はあるけれど、「子どもにどうこう、という以前に、大人(自分自身)の好奇心を大切にしたい」と仰っるのを聞きながら、やはり感性を瑞々しく保っていなければ、感動を伝える作品を作ることは出来ないのだな〜と納得。
舞台化されたエピソードの素はご自身の子ども心というか、ピュアな感性そのものなのだね。
実際には、2つ3つの舞台の種を、実際にお子さんたちの前で幾度もやってみて、反応を見ながら完成させていくのだそう。

舞台の道具は手作りの柔らかさ、そこに完璧なサウンド(音、音楽)と光、ハイテクな道具もハイテクと感じさせない自然な使い方で子どもたちの想像力を邪魔しない。
本当に素敵な空間だったなあ〜

子どものための舞台づくりに関わる人たちに、この作品はものすごく参考になるだろうと予想していたけど、実際に観て、その思いは確信に変わった。
まずは空間の使い方、光の使い方、キュートな小物の数々、自然物の用い方、そして全体を構成する音(音楽)。
私が作品の作り手なら、あれもこれも真似したくなる〜
まあ、どんなに真似しようとしても、瑞々しい感性がなければまねごとで終わってしまうだろうけどね。

昨日の舞台を観て、一般的な日本の児童演劇と違うのは何だろうって、考えている。
日本の、という言い方は失礼かな、国内にもさまざまな創造団体がありますからひとくくりにするのは違うのかも知れない。
う〜ん。
演じる、見せる、という舞台ではないってことかな?
あ〜。
この辺りはもう少し私の中で整理が必要かも知れません。
とにかく、いろいろと刺激を受けること間違いない!ということは確かです。

フォーラムで何を語り合ったかについては後日また報告します。
(きっと長くなります)