ここあん便り

8年という時間

8年前の私たち

社会人2年目の長男と、就職が決まりアルバイト中の次男
長老様は米寿のお祝い
久しぶりに家族揃って玉造に出かけたあの日
旅館で観た恐ろしい津波の映像
被災地を思うと申し訳ないような幸せな時間を過ごしつつ
我が身に起こったらどうするのだろう
私に出来ることはなんだろう
想像を絶する被害の大きさにただ茫然とテレビを観ていた
8年経った私たち
息子たちはそれぞれ伴侶を見つけ、家庭を持ち、親になった
長老様は満95歳、できることが減り出来ないことばかりが増えた
夫は定年を迎え再就職、家族と過ごす時間が増えた
私はおばあちゃんになり、小さなおもちゃ屋をはじめた
被災地の人たち、ひとりひとりの8年間は悲喜こもごも
私になど想像も出来ないことだらけだろうが
誰にも等しく8年という時間があり
みんな8歳、年を重ねたんだね
終わりの見えない廃炉作業や今だ復旧に手つかずの地域があること
悲しみ、苦しみから逃れられない人々の苦悩
これからも、そうしたことに思いを馳せつつ
自分に出来ることをしていくしかない
これからも、時は平等に刻まれる