絵本作家で、鳥の巣研究家でもある鈴木まもるさんの講演を聴いた。
鳥の巣の不思議を通して、子育てについて学ぶ時間だったなあ〜
様々な鳥がいるのだから、その鳥の種類と同じだけ形や大きさ、素材の異なる鳥の巣がある。
同じ種の鳥であっても、住む地域、環境により、やはり巣は異なるの。
ただ、どんな鳥でも、安全に卵を産みヒナが巣立つまでの間を、ヒナを守り、子育てに専念するための空間として巣をつくることは共通している。
どの巣であっても、使うのは一度きりなのだそう。
同じ巣を次もまた使っていると見える場合、必ず古い巣の上に新たな巣を作っているのだって。
(燕とかは、土台を再利用するが、卵を産むための巣はいつも新しい)
モンゴルの羊毛でできた巣など、まさにフェルトでできた小さなポシェットのよう。
くちばしだけでつくり出したとは思えぬ出来映えに驚いた。
所変われば、綿を用いる鳥もいるのだと、コットンの巣も見せていただいた。
私にしては珍しく、サインの列に並び、サインをもらう〜♪
鈴木さんの子ども時代の話や、絵を描くことが好きな少年が、今、こうして絵本作家になったこと、ふとしたきっかけで鳥の巣研究家になったことなど、最前列で聞いたいた子どもたちはどう思っただろう。
今、ちょっと疲れて立ち止まっている孫に聞かせてあげられたら良かったな…など、今さらながら老婆心。
異なる環境下、与えられた環境に文句ひとついわず、種を残すため懸命に生きる鳥。
もちろん鳥だけではない、生き物はみなそうだけど、人間だけがややこしい。
鈴木さんの作った巣箱で子育てする鳥の動画の、餌を運ぶ親鳥、口を開けて待つ子鳥の様子が忘れられない。
餌を運ぶ親、大きな口を開けて餌をもらう子。
餌をもらうとくるりと後ろを向き、お尻を突き出す子。
その子のお尻から出るフンを間髪入れずくわえる親。
フンは親鳥によって巣の外に持ち出されるため、巣はいつも清潔。
楽しくて、感心させられることばかりのお話の中に、とても大切なメッセージがあったこと、それは、鈴木まもるさんの絵本の中にある、生き物や自然、命の営みに対する畏敬の念に他ならない。
ヒトの子育ても、食事を与え、排泄を促し、安心して休める環境を整えてやりさえすれば、それで良い筈なのになあ〜
ややこしくなりすぎたヒトの子育て、一体どこからほぐしていけば良いのだろう。