ここあん便り

赤ちゃんと暮らす

先日、ラジオで、生後3ヶ月のお子さんとの向き合い方について「どこまで付き合ってあげたら良いのか分からない」といったお悩み相談が取り上げられていた。

はじめての子育て、赤ちゃんが起きている(目が覚めている)ときはなるべく側に居て、声を掛けたりして遊んであげるようにしているそうだけど、家事とかにも時間はとられる訳で、そういうとき、ぐずって泣いても、すぐに抱っこしたりあやしたりできなくて、しばらくすると泣きながら寝ていたりして、罪悪感を感じると。
夫が休みの日は、家事を夫に頼れるので、ずっと赤ちゃんに付き合ってあげられるけど、夫から「構いすぎ」ではないかと言われ、それもまた悩ましい。

これを聴いて、パーソナリティーの方は「すごいね、よくやってるね、赤ちゃんは幸せだね、何も心配要らないですよ」とまずはお母さんを認めつつ、「全ての時間を赤ちゃんのためだけに使うことはできないから、お母さんはお母さんの時間を使えば良いんですよ」と応えていた。

私も時折「赤ちゃんへの声かけをどうやったら良いか分からない」とか「声かけが大事って言われるけど、いつもいつも声をかけなきゃいけないんですか?」など、問われることがある。
私は、声をかけなきゃ!など一度も思ったことはない。
ただ、赤ちゃんの声や、様子に「返事」をするだけ。

赤ちゃんは、大人が思う以上にひとり遊びが出来る人だ。

泣いたり、ぐずったりするのは、どこか何かが不快な時、例えば…
オシッコが出そうで気持ち悪い、或いは出てしまって気持ち悪い
お腹がすきはじめて、おっぱい欲しいなあってとき、
身体がどこかこわばっていてイタイ、かゆい、
眠くなって誰かにどうにかして欲しい
こうしたことがクリアされていて、「快(心地良い)」の状態であれば、寝返り以前の赤ちゃんでさえ、ひとりで、空中を見つめながら声を出し手足をバタバタさせてひとり遊びを楽しむ。

そういうときは、赤ちゃんをひとりにしてあげてOK!
もちろん、赤ちゃんを視界の中に入れられる範囲でのことだけど。
赤ちゃんにとって、ひとりで寝かせられている時間もとても大切なんじゃないかな。

最近は、首の据わらない内からお出かけするあかちゃんも珍しくなく、それを否定するつもりはないけど、それなら尚更、ひとりで床にコロンと寝させて、赤ちゃんが手足を自由に動かせる時間を作るようにして欲しいな。

その上でのことだけど、
「○○してあげなきゃ!」に囚われ過ぎないで!と言いたい。
「うまく声かけできない」お母さんでも大丈夫、今はお出かけすれば、支援センターの職員やママ友が声をかけてくれるでしょう。
自分が苦手なことは誰かが助けてくれるし、言葉数少なめ大人しいお母さんは、それがそのお母さんの個性なのだから、無理する必要はないよね。
色んなお母さんがいて、色んな関わり方があって当たり前、赤ちゃんだって、ひとり一人違って当たり前。

先日、メディアの研修会で、乳幼児向け講座で講師が意識的に伝えるのは「赤ちゃんを自由にさせてあげること」「人に迷惑かけたって良い、大丈夫だよ」「お母さん一人で何もかも頑張らなくて良い」って、メディアのことというより、子どもとの向きあい方がメインだと仰ってた。
なるほどなあ。

これは、親だけじゃなくて、保育者にも言えることだと、実際の映像(保育スタッフが子どもを制止したり、後ろからいきなり抱き上げる様子)を見せながら気づかせてくれたこと。
危険やトラブル回避のため、つい私たちは早め早めに子どもの動きを止めがち、特に後ろからいきなり制止することが多いよね。
善かれと思って先回りしてしまうのは、託児など行う保育スタッフに多いっていうのも、我が身(年長者)も含め、振り返りつつ納得。

実際に私たちの講座(おもちゃ+講座)でもよくあるの。
ボランティアさんが過剰にお子さんたちに働きかけるパターン。
「ほらほら、こんなのもあるわよ」って、今、熱中して遊びはじめそうなのに急な声かけ…。

長々書いちゃった〜

何が言いたいかって言うと、赤ちゃんは赤ちゃん自身の力で遊べるってこと、そして自らの力で成長していく人だってこと。
「〜してあげなければいけない存在」ではなく
「〜できる力を生まれながらにして持っている存在」なのだから
大人は、余計なことをなるべくしないで良いってことかな。

まあ、このあんばいがナカナカ難しいのだけど、大抵のことは赤ちゃんが教えてくれると私は思っています。

その上で、赤ちゃんが何か困難(身体や心の発達)を抱えてそうなら、その困難を少しサポートしてあげられたら良いですね。