ここあん便り

言葉で伝える

時折、孫の言うことが理解できず途方に暮れることがある。

「ごめんよ〜、ばあば、わからないわ、もう一回教えて」
そうすると孫の方も途方に暮れた顔になる。
「○○のことかな?こうするのかな?」
「○○のこと・・・」とオウム返しのときもあるし「ちがう!」とハッキリ言うときもある。
何でもよく分かっているようで、お喋りも上手だけれど、まだ2歳だもの、自分の思っていることを説明するのって難しいことなんだね。
こっちも必死で考えて、思いつく限りの対応を試みる。
けれど、3回に1回くらいは思い通りでない結果で勘弁してもらっている。
不本意ながら、まあ仕方ないかなって残念な顔をしつつバアバを許してくれるのは親とは違って遠慮があるからかもしれない。
思いが伝わらないことほど悲しいことはない。
ましてや人生2年半の子どもにその力は備わっていない。
先日はこんなことがあった。
「ピアノする!」と孫
「ピアノ弾きたいの?」と聞くと
「ひきたいの、お父ちゃんと、ピアノする!」と答える
「じゃあ、ピアノしよう!」とピアノの椅子を引いて準備する息子
「あ、ごほん(本)もって」と絵本の方へ掛けだし、絵本を持って帰っきた孫
「あれ?ピアノじゃなくて絵本?絵本読むの?」と息子、
首を振り「ピアノ、する」と絵本を持ったまま言う孫
「じゃあ絵本はここに置いて」と息子
「ピアノするの!」と絵本を手放さない孫
「ピアノ弾くのに絵本はいらないよ」と絵本を取り上げようとする息子
イヤイヤをしつつ絵本を離さない孫、泣きそうになりながら「ピアノする」と言う
親子で押し問答
その様子をなんとなく見ていて「あっ!」思い当たることがあった
「めいちゃん、そのごほん、ピアノに乗せたいのかな?」
孫が持っていた絵本は「パンツのはきかた」、最後のページに楽譜がある
1週間ほど前、お母ちゃんがそれを見ながら弾いて歌ってくれたのを思い出したのだろう
譜面台に絵本を乗せてもらい「お父ちゃんうたって!」と上機嫌で伴奏を始める孫
まるで保育園の先生のごとく、「は〜い♪」とお父ちゃんを子どもに見立ててピアノを弾き
やがて大満足で「おわり!」となった
彼女の思う「ピアノを弾く」という行為に絵本(楽譜)は必須だったんだ
やれやれ、思い通りにできて良かった〜
2歳半の脳みその中は一体どうなっているのだろう?
言葉で考えるということができはじめているのかな?
それともイメージと言葉がごちゃ混ぜになっているのかな?
なんにしても、子どもをよくよく見ておくこと、なにより共に過ごすことを通じて、言葉にならない思いや感情を理解してあげられるようにしたいものだと肝に銘じるバアバでした。