おとけいでございます。
元気になりました〜[#IMAGE|S16#]
森時計店の店主様にいのちを助けて頂きました。ありがとうございます。
ガチャガチャになっていた私の心臓部を、丁寧に分解、点検、補修、再組み立てした下さったのですよ。
部品自体に変形や破損が無かったのが不幸中の幸いということでした。
ここ森時計店様には、私のようなご長寿時計さんが大勢いらっしゃいます。みなそれぞれに個性的な姿、時を刻む音も十人十色でございます。
さあ、もうじき五時半。カネひとつ鳴らす方達が準備を始めています。私は一時間おきに時を告げる時計ですから、五時半は皆さまの働きを見ているだけで良いのです。
ふふ、気の早いお方が「ボーン」と一声。「シャラーン」って軽やかな響きを奏でる方や「カッコー」って鳥さんの姿と共に楽しませて下さる方もあって、とても楽しいのですよ。
12時ともなるとそれは賑やか。リズムも音色もまちまちですが、みなで息を合わせつつ、素敵なシンフォニーを奏でるがごとくカネの音を響かせます。
それはそれは楽しくて、美しくて、素晴らしいひとときです。
けれど、そのカネの音よりも待ち遠しい、足音を私、待っているのですよ。
あ・・・・。
聞こえました、庵主さんの足音です!
早く、早く、私をここあんへ連れて帰って下さいませ。