ここあん便り

目撃者を増やそう

NPO法人こども未来ネットワークの仕事として続けて来たアートスタート事業。
昨日はその事業の10年を振り返るアートスタートフォーラムを開催しました。

「アートスタート事業」は、0歳の赤ちゃんから入学前の小さなお子さんが生の舞台と出会う場をつくる運動として、法人設立の年、2000年から県内各地で取り組み続けて来た事業です。
2008年からは、関わる人たちが集い、学び合う機会として「アートスタートフォーラム」の開催も実施してきました。

2013年には鳥取県と共に文化庁の助成金を活用し「とっとりアートスタートおひざのうえ2013」として、1年間、県内各地で、数え切れない事業を実施し、「アートスタート」という言葉を広め「アートスタート」に触れてもらう機会を作りました。

そして気づけば、おひざのうえ2013から10年、法人設立から20年が経ちました。

そして昨日のフォーラム(第11回)、ここあんのある、私の住む町、境港市で開催することができ、本当に嬉しかったなあ。
ちょうど県西部でのアートスタート公演に招聘中のお二人↓にもご参加いただき
つばめさん人形芝居 つばめ屋
ただじゅんさんただじゅん企画
鳥取県のアートスタートについて、フォーラムタイトル「知ろう!語ろう!広げよう!」を実感できる素晴らしい機会となりました。

今回のフォーラム、どうしたことか涙腺崩壊者続出で、予定しているWeb公開が不安になるほど。
(あそこはカットして!という涙腺崩壊者からの声が出るほど)
会場中がもらい泣きしてしまうというフォーラム、なかなかないですよね。

県内各地の素晴らしい取り組みを報告してもらい、参加者みんなで共有できたこと、「参加して良かった」という声が本当に嬉しかった。
全国各地で上演中のお二人に「鳥取の活動は素晴らしい」全国をみてもどこもやっていないと感心し「感動した」と言ってもらえ(私はこっそり「よし!」)今後への大きな自信につながりました。

地域実践者として、日南町、大山町のお二人に報告をお願いしましたが、若い彼女たちが、先輩たちから引き継いだ「アートスタート」事業を、地域の実情に合わせ、その地域資源を活用し、生き生きと楽しげに活動していることが皆さんにも伝わったと思います。

振り返れば、「アートスタート?」「赤ちゃんにアートが分かるの?」「お金払って参加する人いるの?」
全くゼロから手探りで、とにかく話を聞いてもらうことからはじめたことなど思い出すなあ。
多少なりとも興味がありそうなら、経費は全てこちら持ちで試しにやってもらう(まずは体験)という方法で、県内各地に足を運びました。
実施が決まれば、事前のボランティア研修会を必ず開き、チケット、チラシづくり、会場の下見、集客のお手伝いも、開催地と二人三脚で「初アートスタート」を体験してもらった。
こうしたことは全て手弁当、上演に係る経費だけは補助金や助成金で賄えたけど、主催団体の人件費などは対象外でしたからね。

そうして全面サポートから徐々に自立した取り組みへと関わり方を変え、今回報告してくれた大山町、日南町、日野町、南部町といった地域では、各地にしっかりとアートスタートが根付いていった。
はじめの頃はどこも集客に苦労して、米子や境港の親子(ここあん利用者)に遠出を促し、アートスタート遠足を楽しんでもらったことも一度や二度では無い。

そんなことも思い出しながら、フォーラムを楽しみました。

アートスタートを誰もが体験できるようにするため、
「とにかく見てもらうこと」
アートスタートがなぜ必要か、こどもにとってアートスタートとは?
そのような疑問は、見ることで、アートスタートの現場を見ることで解決できる。

私はこれから、「アートスタートの目撃者を増やす」努力をしようと思います。