さねとうあきらの「ベッカンコおに」(ゆきこんこん物語 第3話)を読む。
ひとり、誰に聞かせるわけではないが、声に出して読んでみた。
こんなに胸に迫るおはなしだったかと、ドキドキしながら読み進める。
後半にさしかかると、時折呼吸を整えないことには、とても先に進めない。
終盤、文字を淡々と拾い読むことだけに専念しようと思うけれど、口元がゆがんで言葉にならない。
どうにかこうにか読み終えるが、じいーん、ポロポロポロリ・・・しばし涙がとまらない。
昨日のビナードさんの言葉が思い出される。
「物語そのものがレンズになりうる」
この「レンズ」って表現を正しく伝えるのは難しいが、
「ベッカンコおに」は、誰にとっても新たなレンズになりうると確信した。
いつか土曜日文庫で読んでみたいなあ。
ただし、泣かないで読めるように訓練が必要。