斉藤先生の本のこと、もう少しご紹介しますね。
これは是非、ひろみさんやりゅうの母さまにお伝えしたいって思っていたことです。
斉藤さんは息子さんにずっとずっと読み聞かせをされていたそうです。自分が伝えたいことが凝縮されている素晴らしい物語の数々を親として読んで聞かせたいという強い思いがあって、子どもさんの成長と共に、絵本から物語へと読み聞かせは続けられたのですが、どうしてもこれだけは最後まで読み聞かせたいと願っていた途中、「パパ、もう自分で読んでいいかな」と息子さんの方から決別宣言が出され断念したのだそうですが・・・。
息子さん、10才の頃の出来事だそうです。
けれど、息子さんとの読み聞かせ生活や、子どもと「本・物語」の関係を見つめる中で、子ども時代に物語の世界を知ることの意味と、そのための「水先案内人」が必要だと言うことに気づかれたそうです。
子どもは、絵本や物語を通じてさまざまな世界を旅することができるけれど、一人でその世界に挑んでいくことはできない。信頼できる人(親や先生など身近な大人)がその物語の水先案内人となってくれるからこそ、恐怖や不安を抱きつつも足を踏み入れることができる。安心してその世界を楽しむことができる。
斉藤さんの息子さんからの決別宣言は、一人で、誰の助けも無しにその世界へ入って行く覚悟をした時なのであろうと、思春期の入り口にさしかかり、自分と言う存在を強く意識しはじめる年頃になった証を、親として見いだされた瞬間だったのではないかしら。
小学生ともなると、絵本を早くも卒業し、読み応えのあるものを自分の力で読むようになるけれど、読み聞かせはまだまだ続ける必要があるようですね。
絵本の見方も変わってきているでしょうから、良い絵本を繰り返し読み続けることも大切。
そして同時に、その年令にこそ出会わせたい本があり、それは早すぎても、遅すぎてもきっとダメなのね。その年頃だからこそ味わえる感覚、世界の広がりがあるんだろうって、そう思います。
さて、では小学1,2年生で読書好きの人たちに一体何を勧めたらいいのかしら?
それがなかなか難しいわね。