ここあん便り

水のない花

お盆前に長老様の義弟が亡くなった。

長老様が嫁いできたとき、未だ子どもだったとか。
さすがに気落ちし、食欲をなくした長老様だったが、すぐに落ち着いて一言。
「元気であの世へ行かないけん!」
元気な人はあの世へは行かないのだが・・・その日まで元気で、という意味かしらね。
亡くなったその日から、共にあった一輪の菊の花

水のない花は亡くなった人のお供をして旅立つ

この花と、一本の線香が対なのだって

通夜に線香を一本だけ手向けることの意味を初めて知った