お隣の県で子どものための活動を続けてきた仲間(NPO)が今年度限りで組織を解散するんだって。
組織として次の世代に引き継げる事業をつくれなかったと語るメンバーの言葉を反芻しつつ帰った。
NPO法が施行され、「NPOを仕事にできる時代」を歓迎し、やがて「協働」という名の下、NPOに寄せられる期待に応えるべく、頑張りすぎるくらい頑張った時代があったことなど思い出す。
今、NPOで働くひと、働きたいひとは増え、仕事として認知されるようになったけれど、私自身、自分の仕事にはできなかったし、やる気のある人をちゃんと雇用し続ける体制をつくれないままでいる。
それでも続けてこれたのは、関わるメンバーや支える人たちのボランティア精神と使命感あってのこと。
自分たちが動いただけの対価に勝る報酬(喜びや満足感といった心の報酬)が得られるからこそ続けられたと思う。
そして同時に、理想とする世の中にたどり着かないもどかしさが、次へ、また次へと向かわせてしまうからきりがない。
子どもたちが生き生きと子どもらしく育つことができる。
どこにいても、どの親の元に生まれても、ひとりの人間として尊重されて育つ。
そうであって欲しい。
世の中(社会)の意識を変えることに繋がるなにかができたとしたら嬉しいが、そうでなくても、ひとりの人の意識に変化をもたらすような、目の前の小さな人の心にポッと灯りが点るような時間をつくれたら、それだけで充分かなと思うようになった。
そして何より、「子どもってすごいね」と思える自分になれたこと、それを思うと、続けてきた活動になにひとつ悔いは無い。