おはなし会や文庫のように、人が沢山集まるところでじっと座っていられるお子さんと、そうでないお子さんがある。
小さい子どもだもの、じっとしているなんて無理。というのが常識だとすると、私の感覚は非常識かも知れないが、1,2歳のお子さんでも最低15分、だましだましでも30分は何とかもちこたえられると考えている。
もちろんお子さんの気質もあり、親の対応の仕方にもよるのだが。
じっとするのが苦手なタイプのお子さんについて、幾人かのお母さんから話をきいていると、「家ではよく本を読む」「絵本が好き」だとおっしゃる。
絵本が好き。そう聞いて、私は勝手に「絵本を読んでもらうのが好き」なのだと解釈し、ちょっと不思議に思っていたが、どうもそうではないようだ。
その後又、幾人かのお母さんに話を聞いて気づいた。
共通するのは、家でひとりで絵本を読む(眺める)子どもの姿=絵本好き、という構図。
絵本=読んでもらう(あげる)もの。私はそう意識してきた。
3歳ともなれば、ひとり遊びもできるのだから、絵本だって一人で読む(眺める)ことはできるだろう。
けれどたとえ一人でしばらく眺めていても、「読んで!」と要求するのが子どもというもの。
・・・だと思っていたけれど、そうでない場合もあるんだね。
お話がちゃんと聴ける、そのためには親子間でじっくりと向き合って過ごす経験がまずもって必要なのではないか。
母親の(信頼できる大人の)膝の上が最も安心できる場所であることを感覚として刷り込んでしまうことが必要ではなかろうか。
何らかの問題があって、それが上手くいかないお子さんであれば、別の手立てを考えなければならないが。
絵本に親しむ(乳幼児期に)こと、その最大の意義は「親子のふれあい」なのだから、少なくとも3歳までの絵本タイムはお膝の上。「読んでもらうことが嬉しい」という体験を心と身体で味わって欲しいと願います。
そしてもし、そうしたことが上手くいかないお子さんならば、子育ての専門家に対処法を相談なさるのが良いよね。
子どもが今見つめているものに大人も視線を落とし、さまざまな感覚を共有できる。その手助けをしてくれるのが絵本でありおもちゃであり、自然なのではないかしら?
そして子どもが、絵本よりおもちゃより、何よりかにより好きなのは・・・。おかあさん。