小学校にゲストティチャーとして招かれることがある。
「電子映像メディアの弊害について、子どもたちに伝えて欲しい」といった依頼によって。
ケータイ・インターネット教育推進員(鳥取県独自の養成講座卒業生)の一員として出かけるわけだが、本来の役割は保護者や地域の大人に対しての啓発だから、子どもに直接伝えることには私自身少々抵抗感がある。
先日も「インターネットの光と影」という依頼内容で、高学年一クラス45分の授業を受け持たせてもらった。
同行する他のメンバーと、次の二つのことを重点的に伝えようと確認し合い、授業に望んだ。
①個人情報をネット上に流さない。(自分だけでなく友達の個人情報も、ともに守る意識をもつ)
②ネット上の人権侵害について。(誰もが被害者に、加害者になりうる)
子どもたちは、すでにこの二つのことを(それ以上の事柄も含め)知識として知っている。
けれど、それが「自分に起こりうること」として意識しているかというと、全くNOで、他人事でしかないようだ。
ネットでチャットもするし、オンラインゲームだってする。
見ず知らずの人とだって「お友達」になることに警戒感はない。
そうした子どもたちに、私たちは多少なりとも何かが伝えられただろうか。
帰り際、数名の男子が問いかけてきた。
「どうしたらゲーム中毒(依存症)になりませんか?」
「一日1回なら大丈夫ですか?」
講座の終盤、時間にして3分程度だと思うが、「ゲーム依存症」と脳の話をしたのがよほど恐ろしかったのかなあ。(おまけ情報だったのに・・・)
「毎日時間を決めていても、なかなか守れないでしょう?ゲームは週に1度か二度位がいいんじゃないかな。ゲームを使わない日が多い方が良いと思うよ。」
「ゲームで遊んだ後は外に出て身体を動かすとか、色んな遊び、お家のお手伝いをするようにしたらゲーム中毒にはならない。心配しなくて大丈夫。」
教育者の役割と責任は重大だ〜。
教壇に立つ人の一言、振る舞いが、子どもの一生に影響を及ぼすのだもの。
ああ、そして、真の意味でのメディア教育に取り組んで欲しい。