ここあん便り

年をとったらね

年をとったらね、
日常の細々したことにとらわれないで生きたい。
ごちゃごちゃした人間関係とはちょっと距離を置いて、
家の周りのちいさな草花や虫たちを眺めて暮らしたい。
そうして、季節の移ろいや自然という大いなるものとつながっていることを感じつつ過ごそう。

私たちは、世間(社会)というものの中で暮らしている。
生きている限り、人と関わらずには生きられないのであろうが、
せめて心は自由に、誰かのためにというのでなく、
己のために生きようよ。

つばめが玄関付近に巣を作ろうとして盛んに出入りしている。
「つばめが巣をつくらかとおもって、泥をつけかけて、困ったもんだ」とばあちゃん。
もし、本当に巣を作ってくれたなら、「頭上注意」の立て札でも立ててさ、見守っていればいいじゃんと私。
ばあちゃんはたぶん、つばめの糞やその後の巣の始末などをどうするのかと言いたいのだろう。
そんなこと、若いもんたち(私たちね)がどうにかするであろうと傍観することが出来ぬのだ。
私なら、みんなが困ってあれこれ知恵を働かせてどうにかするのを楽しんでみていたいけどなあ。

年をとったらさあ、
残りの時間を自身のために穏やかな気持ちで使いたい。
しかしそれは、とても難しいことなのかしら?
90歳を超えてなお、日々子や孫にあれこれと気遣い指図する母をみて思うこの頃。