ここあん便り

小商いの行方

店舗を構えて商売するのが厳しい時代になった。

買い物は配達付きのネットショッピングが便利で、ついそちらを利用しがち。
早いし、安いものを探せるし、動かなくて良いし・・・忙しい現代人にはもってこいだもの。
そして、あっという間になじみの店(小売店)が姿を消す。
ここあんのおもちゃ屋さんは、そうした時代に逆行するようにして生まれた。
子どものためのおもちゃなど、少子化の時代にそう売れるものではない。
しかも値段は高い。
モノを持たない暮らし(買わない、借りる)を求める人も増えた。
けれど、どんな時代であっても、子どもに必要なモノは変わらない。
新しいモノが溢れんばかりに出ては消える時代だからこそ、良いモノ、長くつきあえるモノを提供したい。
指先ひとつで手に入る時代だからこそ、実物を手に取り、良いモノであると実感したうえで求めて欲しい。
そんな気持ちで営むようになって1年半。
「あ、そうか」と気づいた。
私はおもちゃと人をつなぐ商売をしているのだなと。
子どもとおもちゃの仲人さん!
「アートスタート」公演を通じて、アーティスト(表現者)と人が出会う場を作ってきたように、おもちゃを通じて素敵な「トイスタート」体験ができるようにと願っている。
おもちゃ屋さんが商売として成り立たたないことは重々承知の上だけど、始めたばかりの仲人業をそう簡単には諦められない。
いくつものわらじを履きつつ、リスクを最小限にとどめながら、決して無理しない「小商い」として細々と、しかし情熱を持って続けてゆけたらなあ〜
これからも私は、子どもと子どもを愛する人たちとおもちゃを取り持つ仲人業、楽しんで続けて参ります。
皆さまどうぞご贔屓に。