昨夜こちらでは、恐怖を感じるような暴風に見舞われていました。
台風18号は予想を超える大型なのでしょう。
皆さまの地域でも、くれぐれもお気をつけ下さいませ。
子どもの頃、台風が接近する度にわくわくした。
ことに、直撃されそうだという時、大人たちの会話の端々に出てくる「台風の目」という言葉に、一体どんな目がやってくるのかと、ひとり想像を膨らませていた。
(どんな目かって言うと長野ヒデ子さんの絵本「めめめめばなし」のおめめちゃんをひとつにしたようなやつ。)
そいつが家の前の通りをゆうゆうと移動して行くのだと、そう考えていた。
停電になると、ばあちゃんがろうそくに火をつけた。
はじめ、ちゃぶ台の上にぽとぽととロウを垂らし、固まらぬうちにろうそくをそっと立てた。
大人たちが緊急事態に備えて何やらソワソワと動き回っている時、子どもたちはじっと静かにしていたように思う。
なにしろ頭の中は「台風の目」のことでいっぱいなのだから。
大人の目を盗んで、どうやったらその「目」を見ることが出来るか、大人しい顔をして考えを巡らしていたのだった。
台風が来る度に必ずそれを思い出せるのは、幸いにもたいした被害に遭わず生きて来たお陰だろう。