ここあん便り

佐藤英和講演録を読んで

鳥取まで片道二時間のドライブ、そしてお勉強。
お勉強の前には、一人お忍びランチ、そしてまたお勉強が終わると二時間のドライブ。
一人でお出かけするとき、「読むもの」は必須。
読みかけの小説があるにはあるが、読み進む気力が湧いてこないため本棚にしまい、随分以前にすすめられたが開くこともせぬままの講演録をお伴に選んだ。
この講演録、このところの心のモヤモヤをすっきり[#IMAGE|S5#][#IMAGE|S18#]、活力を取り戻せそうな言葉で溢れています。
ああ、どうしてこんな良いお話しを、今まで積読しておいたのだろう。
お昼ご飯の前後に、一気読みしてしまった。

佐藤氏はこぐま社の創業者であり編集者。
絵本が好きで、とうとう絵本の出版社をつくってしまった、そういう方(本人いわく)。

絵本が絵本であることの意味。
幼い子どもは自分に喜びをもたらす本とそうでない本とを見分ける力を持っていること。
読んでもらうことと自らが絵を読むことによって子どもは絵本を楽しんでいる。
頁と頁の間に時間と空間があるということ。
想像力がなければ読めないものであること。
それらを、佐藤さんのお気に入り絵本を例に、優しく分かりやすく伝えてくださっている。
「絵本の力」とは、ホントにすごいね。

後半の「11ぴきのねこ」を共につくった馬場のぼるさんとの数々のエピソードに胸が熱くなった。
馬場さんの「子どもは騙せない。子ども騙しはやめましょう。」という言葉とその意味が繰り返し紹介されている。
このような良識ある人たちが、本当に子どもを夢中にさせる「ホンモノの絵本」を創ってきて下さったことに改めて感謝したい。

講演録:「聞く喜び・読む楽しみ 幼い子どもたちが読みついできた絵本のなかに秘められた力」
2014年8月 おはなしボランティア アナンシ 発行

ここあん育児書コーナーに置いておきますね。
絵本カフェで紹介するのもいいかな、と考えています。