ここあん便り

三方を海に開く町

写真家の水本俊也さんに誘われて、クルーズ船(出航)を見に行きました。
出かけたのは、境港の先端(一番端っこ)白灯台のある昭和北緑地公園。
ここはかつて、野犬が多く、近づくのが怖い場所でしたが、思い切って出かけてみると、駐車場やトイレなどの整った公園として(以前とは全く別の場所のよう)整備されていました。

    クルーズ船を撮影する水本さん、対岸は美保関

春霞の中、汽笛が聞こえ、遠くに客船の姿が見えました。
やがて、船首をこちらへ向け、徐々に徐々に静かに近づいて来ます。
船はゆっくりと動いているように見えて、近づいてくると思いのほか早く目の前を通り過ぎて行くのです。



そして、白灯台の向こうへ、美しい後ろ姿を段々小さくしながら出発っていきました。

         白灯台とクルーズ船、この組み合わせが素敵、うっとりします。

今回、クルーズ船を数多く撮影している水本さんから、境港での撮影ポイントを教えてもらい、私たち境港市民がどんなに恵まれた環境にあるのかが身にしみて分かりました。

三方を海に開かれた町、境港。
船を見送りながら、そのことを身体中で感じたひとときでした。

私は常々、大きな道路(431号線)が出来たことで、人々と海を隔ててしまったと思っていましたし、実際そう言ってきました。
確かに、かつてはそうだったかも知れません。
けれど今、海と人々を隔てているのは、そう思い込んでいた過去の認識であって、その認識をアップデートできずにいる私たち自身の怠慢だと言わざるを得ないのではないか。
車で自在に出かけられる今の私に、海が遠いなど、ちゃんちゃらおかしい〜

野犬が…などいう昔話に囚われていた私の愚かさに気づかせてくれた水本さん、ありがとう。
私の町の今を、実際に自分の目で見て感じて、アップデートしていく必要を感じた一日でありました。