こども未来ネットワークのメンバーは、「子どもとメディア」に関する講座を開催する上で「メディアを悪者にしない」という共通認識を持っている。
しかし、どんなに優しく語りかけても「やっぱり、テレビやDVDを見せるのは良くないこと」というメッセージとして伝わってしまうのも事実。
なので結果的に「見せる親はダメな親、見せないで過ごせる親は理想的」という意識を植えつけてしまっているのではと、少々案じてます。
もちろん子どもにはテレビをはじめとした電子メディアは必要ないと思っている。相手が乳児であれば「百害あって一利無し」だと断言したりもする。
けれど、テレビつけっぱなしの中でさえ、子どもはたくましく育って行くのだ。
爺ちゃん婆ちゃんが一日中テレビをつけていて赤ちゃん期からテレビ漬け、という悩ましいご家庭も多いことだろうが、そういうご家庭では、テレビの音を雑音としつつも豊かなコミュニケーションがあり、子どもへの豊富な人的関わりがあったりするわけで、さほど案ずることはない。
ただし、気をつけなければならないのは、テレビ育ちは知らず知らずのうちに日常を受動的に過ごしてしまう傾向がある。だから、電子映像メディア以外のおもしろいもの、おもしろいことをしっかり体験できる場を家庭の中にもつくってやることが必要。
子どもは本来、興味の対象にまっしぐら、みたがり・やりたがり、の人たちです。モニターの中で繰り広げられる出来事で満足できる人たちではないはず。
自らが考えたこと(イメージ)が「できた」という喜びを、積み重ねていくこと。それをサポートしてあげることが、メディア漬けの日本の家庭には必要なのです。
テレビを見せることに罪悪を感じるのであれば、「見せない」努力より、「もっとおもしろいこと・うれしいこと」に誘ってみることを試みて欲しいなあ。
メディアの講座の後の質問タイムには、いつも大切なことに気づかされる。
講座をワークショップ形式にした方がいいのでは、と近頃考えている。