ここあん便り

プロとアマの境界線

先日、息子が所属する音楽グループのコンサートに参加した。
音楽を楽しむのはもちろんだけど、わたしの一番の目的は、楽しそうに演奏する息子を見ること。
ハードワークが続く時などは、精根尽き果ててエネルギーの枯渇した顔ばかり見ているので、ギターを膝に抱き幸せそうにポロンポロンとやっている姿を見ると安心する。

アマチュアの音楽グループではあるが、歴史もあり、プロの演奏家とセッションしたりもする。
こんなとき、プロとアマの違いをはっきりと意識させられる。
音楽性や技術力など、専門的なことは分からないが、音の伝わり方が全く違う。
音に表情があるということかしら。
うまく説明できないけれど、音楽が外(自分以外の人)に向かっているのと、内(自分自身)に向かっているのと違いじゃないかと、そんな風に感じた。

そんなことを思いながら音楽を聴いていて、あ、やっぱりあの人はプロだったと実感した。
あの人って言うのは、わらべうたうたいのちえさんのこと。
今さらだけど、わたしの中で根拠のない確信が、しっかり根拠のある確信に変わった。

プロとアマ、どちらがどうと比べるものではないのだしわたしがあれこれ批評する立場ではない。
けれどわたしには、その境界線がその道を歩んでいく人の覚悟そのもののように思われた。
ギター弾きの息子に、今のところその覚悟はないようだ。