アートスタート実践者や新たに取り組もうとする人を対象に「アートスタート研修会」を開催しました。
実はこの事業、新しい公共の場づくりモデル事業(の一部)として企画していたもので、実際には事業不採択となった今、財源確保もままならぬのだから止めることも一案ではあったけれど、助成金に振り回されて事業やってるわけじゃなし、必要だと思って企画したことはやるしかないでしょ。
で、結局別の補助金申請をして、事業実施となりました。
さて実際にやってみてどうだったのかと言いますと、これがなかなか好評(参加者に)でしたよ。
こども未来ネットワークが試行錯誤しながら創り上げてきた「アートスタート」ですもの、実践を積み上げてきた運営法に参加者は「目からウロコ」だったようですよ。
本当は是非行政職員(アートスタート担当)に参加して欲しかったですが、残念ながら叶いませんでした。
人形劇の仕込みから撤収まで、劇団の方達のアドバイスを受けながら実地研修しましたし、参加者の受け入れ(誘導・受付・会場案内等々)方についてのレクチャーとともに、こども未来のメンバーのきめ細やかな対応を肌で感じてもらいました。
アートスタートは、参加者が会場に着いたときからすでに始まっているのです。参加者の緊張感をほぐし、穏やかな気持ちで楽しんでもらえる雰囲気作りが何より大切です。
そして、研修生の皆さんには、人形劇を楽しむ親子の様子、特に子どもの表情、反応に注目してもらいました。
実際のアートスタートを運営側の立場で学んだあと、劇団員さんたちとランチ交流を経て午後からは座学です。
「子どもにとってアートスタートとは」と題し、私たちの心強いアドバイザーでもあるS先生の講義を受けました。
赤ちゃん学とでも言うような、幼い人たちのものの見方、とらえ方についての情報を様々な資料を基に紹介して下さり、子どもを知る、理解することにつながる学びの場となりました。
「心の理論」についてのお話がとても面白かったですね。心は自分の中でなく他者から生まれる」という(「言葉の誕生を科学する」小川洋子×岡ノ谷一夫・河出ブックス)考え方になるほどと思いました。これは、永野さんの講演「言葉より語るもの」に通じるところがありますね。幼い子どもが如何に周囲の気配をっさっする力があるか、親の言葉の裏側を読み取る力があるかということにね。
更には、先生のお嬢さんの成長記録やご友人のお子さんたちとのエピソードを交えながら、その時々の子どもの世界について思いをはせることができました。
S先生の「ブックスタートが日常的な楽しみであるなら、アートスタートは非日常でインパクトの強い楽しみ」という表現に納得するばかりでした。
と同時に、乳幼児期に”安心・安定の繰り返し(毎日)”が如何に大切であるか、その”安心・安定”を充分に与えておかなければ、非日常のサプライズを楽しむことなどできないのではないかとも改めて感じました。
こうして学ぶ機会を持つことは大切ですね。私たち自身も学び続けたいですし、是非継続的にやっていきたいと思いました。