ここあんとcafeマルマス、小僧文庫を会場として「ねっこかなこと冬のあがりみちさんぽ」が始まりました。
ねっこかなこさんは、広瀬在住の絵本作家さん。
今回、ここあんでは「産む時代」という手作り絵本の原画を10点ほど展示。
この原画は木版ですが、それをを元にシルクスクリーンで和紙に印刷し、藍染めの織物表紙とともに手製本されたのが「産む時代」という絵本です。
机の上、淡い藍色の冊子が、絵本「産む時代」
原画もさることながら、流木などを巧みに用いた額装がまた面白く、ここあんには少し大きすぎるサイズ感なのですが、何とか頑張って受け止めているっていう感じかな。
この原画に囲まれた空間で、先日はわらべうたの会を楽しみましたが、「産む時代」も読ませてもらい、とても豊かで心落ち着く時間が過ごせたなあと思っています。
今の時代、何でもスマフォで見ることや聞くことが出来ますが、薄っぺらい、というか、頼りない情報でしか無いと私は思うのです。
「産む時代」を手作りされたのは、目や耳で伝えられること以上に大切なメッセージを込めて創作したかったのでは?と勝手ながら妄想しています。
藍染めの表紙、その手触りが心地よく、開けば和紙の質感が指先を刺激します。
その和紙に印画された版画はこの世にただ一つだけ、それを作者自身が製本するという作業にまで思いを馳せると、唯一無二の一冊なのだと分かります。
その一冊を開くとき、これこそが豊かな時間というものでしょう?
情報の渦の中に暮らす私たちは、つい「見た(つもり)」「知ってる(つもり)」で日々をやり過ごしてしまうけど、ほんとうに見ると言うこと、からだ全体で感じること、をおろそかにしてはいけませんね。
モニター越しではなく、目の前に立ってはじめて気づくこと、感じることがあるってことを、今回の原画展を通じて実感していただけたらなあと願っています。
23日には、ここあんにて「岩絵の具ワークショップ」を開催予定です。
定員がございますので、興味のある方はお早めにお申し込み下さい。