H保育園での舞台公演、昨年はコロナで断念しましたが、今年は無事実施できた〜
密を避けるため、2公演に分けて実施、冷房はあるけど換気しつつの暑さの中、出演者のただじゅんさんは持ち前のサービス精神でめいっぱい楽しませてくれました。https://tadajun.net/performance/
(汗だくでの連続公演、ありがとうございました♪)
お囃子、お話、獅子舞、手遊び、顔遊び…和太鼓のリズムが心地よい公演です。
「うるさ〜い!」会場に入るなり、太鼓の音をそう表現するこども。
一人がそう言うと、その周りの子たちも「うるさい〜」「やめて〜」と口々に言いながら、手で耳を覆う。
けれどその手は、耳を塞いでいるかに見えるけれど、どの手もそっと塞いだり放したり(パタパタ)を繰り返し、音を楽しんでいるような…。
保育園、幼稚園公演に同行するとき、面白いのはその園(或いは地域)のカラーがはっきり見えること。
感じたこと、思ったことをためらいなく表現する子どもたちに出会うと、「良いぞ、良いぞ」と思う。
舞台を見慣れている園(年に2度とか)では、舞台を見る力が育っていてすぐに言葉には出さないで「今日はどんなことするのかな?」と考えるそぶりが見えたり。
まあ反応は色々で、それぞれに興味深いのだが、今回の「うるさい〜」の声が、その後どう変化していったかをお伝えしなきゃね。
「うるさい〜」の声に、「そんなに大きな音でもないけどなあ」とつぶやいてみるが、「うるさい〜」の声は変わらず・・・。
同調する子もあるから、これ以上”うるさいコール”が広がらないように内心祈ったりして様子を見る。
ただじゅんさんは全く気にせず「だだすこだんだん♪」太鼓を叩き続けている。
子育て支援センターを利用している赤ちゃん連れの親子も続々と入っていくるけれど、赤ちゃんたちはみんなご機嫌。
太鼓の音を嫌う赤ちゃんはあまりいない。
さて、みんなが席に着くと、ただじゅんさんのお囃子劇場のはじまりはじまり。
「うるさい〜」の主は相変わらず耳を塞いでいる。
同調していたお子さんたちは、ただじゅんさんに釘付けでそのペースに巻き込まれている。
そして大太鼓が登場したときだっただろうか、どんすかどんどん♪大きな太鼓の音がホールに響いたその瞬間、「うるさい〜」の主は、「すごいね!」とひと言言って、耳にあてていた手を下ろした。
「え?」
「すごい」そう言って、ただじゅんさんを見つめる子どもの様子に、私の方があっけにとれれた。
あの「うるさい」の言葉に込められた思いを理解することはできなかったけれど、「うるさい」という言葉で伝えたかったことが確かにあったんだねと、小さな背中にそっとつぶやいた。
津軽三味線を見て「バイオリン」、「ギター」と叫ぶ子どもたち。
演奏が始まると、足をドタバタ踏みならす。
これまたすぐに皆が同調。
はじめて聴いた津軽三味線、身体が音をたてたいと叫んでいるみたい。
ああ〜、面白いなあ。
生の舞台だからこそ、子どもの心と体がこんなに反応するのだろうね。
帰り際、子どもたちが「太鼓の人?」って聞きながら、ただじゅんさんにまとわりついていた。
先生が止めなかったら、ただじゅんさんを取り囲んでお団子状態になっていただろう。
幼稚園、保育園での舞台公演が日本中で当たり前のことになっていったら良いなあ。
そのために、もうひと頑張りしなくてはと、ひとり心に誓いました。