イベントのない普通の日の食卓は、初老の夫と二人、野菜中心の食卓。
肉や魚もいただくけれど、特にお肉は煮物の出汁程度の登場。
お盆送りの日、無性に焼き肉が食べたくなり、買物ついでに夫の好物「ハラミ」を購入。
フライパンでたっぷりのタマネギと共にジュウジュウ焼いて、焼き肉のたれで食す。
「うんまい〜♪」
ふと思い出す。
亡くなった母が元気な頃、お盆になるとお寺参りの帰りに焼き肉屋さんへ行ったっけ。
(お盆なのに焼き肉、と言いながら)
息子たちも食べ盛り、次々に平らげて注文が間に合わないくらいだったなあ。
母は年をとってから焼き肉を好むようになったと記憶している。
あれは、孫たちに食べさせたかったからだろうか。
先日、双六をしていたら、コマの進んだ先は「好きな食べ物を三つ言う」というお題、「はて?」私の好きな食べ物って何だっけ?「う〜ん」
「ええと・・・」悩む私に助け船を出せる者はいない。
「ばーばの好きなものって一体なに?」みんなして悩む。
「美味しいものは大好きだけど、これ!というものがないわ〜」
夫をはじめ、家族の好みや好物はすぐに思いつくのになあ。
主婦というのは、いつでも自分の食べたいものを自分でつくって食べているから、「あれが食べたい〜」という願望が無くなるのではないかしら。
お盆に焼き肉やへ行きたがった母のことを思いつつ、誰に遠慮することなくハラミを存分に食べた。
精進料理続きに対する反動か、お盆には焼き肉というノスタルジーか、
とにかく、久々の焼き肉は大変美味しかった。