先日、託児室でのおもちゃ遊びのお手伝いをさせていただきました。
未就学児保護者向けの講演会でのお子さま預かりは、0歳〜7歳まで39名のお子さんがおよそ2時間過ごすということで、赤ちゃん用のラトルをはじめ、木のおもちゃ、アナログゲームなど、安全で安心なおもちゃを携えて出かけました。
託児スタッフは、現役保育士に子育て支援関係者、絵本の読み聞かせ団体メンバー、そしておもちゃ遊びの専門家として、NPO法人こども未来ネットワーク、総勢20名を超える皆さんが担当しました。
親と離れて、知らない場所で知らない人たちと2時間過ごすって、小さな人たちにはさぞ大きな負担でしょう、不安で遊びどころじゃないのでは?と予想しつつ向かいました。
用意してあった2部屋を、年齢別(0,1歳と2歳〜7歳)に分けて使うことにし、おもちゃも年齢別に配置。
0.1歳は保育士さんにお任せ。
寝ていたり、泣いたりがほとんどで、おもちゃ遊びより人との関わりで乗りこえる感じ。
問題は、2歳〜6歳のお子さん達。
こちらで準備したのは、木製汽車セット、自動車と道路のセット、ママゴト遊び(キッチンセット)、お寿司屋さん、ケーキ屋さん遊び、積み木各種(レンガ積み木、カラー積み木、レインボーアーチ、動物積み木他)、低年齢向けアナログゲーム。
お子さん達が興味を持って遊びはじめられるように、部屋中に遊びを散りばめておきました。
託児受付を終えると、割とスムーズに遊びの部屋へと入り、すぐに遊びはじめるお子さんがほとんどで、託児始まりからしばらくは、とても穏やかに遊びが繰り広げられていたなあという印象。
中には、何をして良いか迷っているようなお子さんもいて、ママゴト遊びをしているお子さんのところで「一緒にする?」と誘ってみるのだが、「遊ぶものがない」とあちこちキョロキョロ。
もしかすると、お子さんによって、「おもちゃ」の概念が異なるのかも。

写真は、孫の忘れ物。こういうの、子どもに人気なのでしょうね。
しかし、今回の遊び場には、キャラクターのおもちゃ、電子音の出るおもちゃなどは一切無し。
アンパンマンのかけらさえ見当たらない遊び空間に、戸惑うお子さんもあったかも知れません。
ちょっと話はそれますが、キャラクターものや、音の出るおもちゃが子どもたちは大好きですね。
カラフルで様々な機能付き、それも比較的安価で求めやすいので、子どもにねだられて買い与えることもあるでしょう。
こうしたおもちゃとどう付き合ったら良いか悩むことはありませんか?
キャラクターのおもちゃを含め、こうしたおもちゃは、しばらく喜んで遊びますが、じきに飽きてしまいます。
そしてすぐまた違うおもちゃが欲しくなる。という無限ループに陥りがち。
気づけばおもちゃ箱に溢れてしまう〜
こうしたおもちゃのことを「おやつのおもちゃ」と教えてくれた方がありました。
私にとって「おもちゃ・おもちゃ遊び」の師匠、「木や」のTさんです。
積み木遊び、ごっこあそびなど、繰り返し遊べる創造的な遊びのパートナーこそが、子どもにとって必要不可欠な「主食のおもちゃ」的存在なのだと教えられ、なるほどなあ、と納得しました。
「おやつのおもちゃ」が溢れている世の中だからこそ、こどもには意識的に「主食となるおもちゃ」環境をあたえてあげたいものです。
「おやつ」の与えすぎにご用心!。
さて、先ほどの「遊ぶものがない」と困っていたお子さんも、周りのお子さん達の様子を見ながら、積み木や汽車セットで遊び、メモリーカードで繰り返し遊ぶ姿がありました。
しばらくして、穏やかそうに見えた遊び空間は、小さな興奮状態に至りました。
汽車セットのレールが破壊され、ドミノ倒しなどを繰り広げてた積み木もバラバラに…。
どうやら、子どもたち自身、遊びの空間にやっと馴染んできたみたいです。
安心して遊びはじめたな、という印象。
さあ、ここからが本当の遊びの始まりです。
3,4歳児が最も多かったので、「やはり、破壊から始まるのだな」と私はニヤニヤしながら見ていました。
その後はお子さんそれぞれに、サポートスタッフに見守られながら、自分のやりたい遊びを楽しんでいました。
2度行われた読み聞かせの時間が気分転換につながり、遊び時間の良いアクセントになっていました。
年長児やつみき遊びの得意なお子さんが複数いたら、遊びの広がりや深まりがあったかなと思いますが、年齢の異なるお子さん達が、それぞれに楽しんで遊べたこと、怪我や事故がなかったことが何より良かったですね〜
サポートスタッフが優れていたことも、子どもたちが楽しめた理由の一だと思います。
大きな声をあげる人は一人もいません。出しゃばらず、静かに子どもに寄り添う姿が子どもたちに安心感を与えた筈です。
お迎えの時間が迫った頃、少しずつおもちゃの片付けを始めました。
おもちゃの片付けも遊びの一つです。
積み木を箱に詰めるのは子どもたちに人気でした。
講演会が終わり、親のお迎えがあっても、まだ遊びたいそぶりのお子さん達もいて、楽しんで過ごせたことが分かり、私たちも嬉しかったです。
通常、イベントの託児スペースでは、動画視聴や「おやつのおもちゃ」で子どもたちを遊ばせることが多いと思いますが、今回、豊富な人材と主食のおもちゃで運営した託児ルームは、子どもにとって負担が少なく、楽しい経験に繋がった筈です。
主催者、関係者の皆さんに敬意を表します。
子どもたちの遊ぶ力、楽しもうとする力を実感できたことも嬉しかったです。
おもちゃ遊びの専門家としては、遊びの空間作りにもう一工夫すべきだった、という課題も残しつつ、今後に繋がる良い経験をさせていただいた事に、改めて感謝いたします。

